【注染とは】

 

注染(ちゅうせん)という染め方は、明治時代に日本各地で行われた大量生産用の染め方です。

手ぬぐいを染めていましたが、だんだん手が込んできて浴衣も作れるようになりました。

それまでは1反(一人分)づつ型紙で糊置きを行い、藍瓶に浸けて染めるやり方(長板中形)を2反、あるいは4反以上で行っていました。

プリミティブな染めながら、型で意匠を発揮できる面白い染め方です。

比較的少ロットでも作れるので、意匠を競った手ぬぐい頒布会が行われたり、お揃いの浴衣を作ったり、民衆の中で育まれた文化となりました。
 

 

【注染の動画資料】

 

現在の東京の注染の動画資料です。

おおよその作業の感じはわかっていただけるかと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=BNowuTmv-dE

 

木枠に鋲で型紙を貼って、その上から「ホットケーキの元」みたいな糊をヘラでおしつけて生地に糊置きします。
浴衣用の約38センチ幅の白生地を、約1mの幅で屏風畳みすると、ミルフィーユみたいになります。
ぺたぺたした糊を挟み込む。
そのように折りたたんだ生地を染めていきます。

 

上から染料をジョウロで注ぎ込んで、糊を置いていない部分が染められ、糊を置いた部分は白く生地色のままになります。

水洗いして染料と糊を落とし、乾燥させて出来上がりです。
手ぬぐいも浴衣も同じ技法で染めます。


 

 

【染色型紙について】

 

型紙は柄を切り抜いた紙で、生地に糊を置くために使います。

和紙を柿渋で固めたものをつかい、小刀で柄を彫ります。(現在は合成紙も使われます。)

彫り終わったら、柄と柄をつなぐため、紗張り(漆で紗を貼りつける)をします。

その型紙を使って染工場が染めていきます。



 

 

ルミロックと注染

「ルミロック」のゆかたは、注染の技法で制作が始まりました。
若い頃は、振袖や訪問着の図案を産地に売るデザイン事務所で図案を制作、その後フリーになり、注染染めの浴衣や手拭いの仕事を多くうけたまわるようになりました。

1994年から注染によるお揃い浴衣を制作し始め、そのころに受けた注染ゆかた用の図案が、何点か集まって、自社制作としてルミロックとなったのは2005年くらいから。

かれこれ20年くらい注染の技法でものづくりをしています。
今年の新柄を含めると129柄の注染ゆかたを制作しました。
今でもまだやってないこと、可能性があると思い、注染の型紙デザインに取り組んでいます。

 

ルミロックについては、自社制作の型紙を基本として制作しています。

細かさや荒っぽさ、独自の雰囲気が出るように型を考え、染工場にはいつも無理を言ってぼかしや難しい送りの口(柄の繋ぎ目)に対応して染めていただいていております。

1版でだいたい決めていくデザインが自分に合っていたのか、制約がある技法ながら、毎年楽しく制作しております。

 

 

【江戸から現代へ】

 

江戸の浮世絵師は、木版画の下絵を作ります。

版木を彫る人、する人にまかせて、企画は版元から来たものを技術的にデザインし具体的にしていく。

 

東京の浴衣もそんな流れで制作されたものが多いのではないでしょうか。

江戸時代から続く、「企画→デザイン図案→商品制作」の流れ。
着手も流行を察知し、いいものを着て粋に暮らそうというのが浴衣文化かもしれません。

 

さて、今年も注染ゆかたを新たに制作いたしました。

面白く着こなしていただけたら幸いです。